気づいてよ…
「あの…私…先輩のことが好きです!」
体育館裏に着くなりそう言った彼女。
顔を真っ赤にしている。
俺の頭の中は思ったより冷静だった。
「名前…教えてくれる?」
まずは自分の名前を言わなきゃ。
「ごめんなさい!!柳瀬樹里(yanase-zyuri)です」
素直に謝ってくれたのは良いけど、俺は残酷なことをしないといけない。
俺の中には美羽のことしかないから。
「柳瀬…ごめんな?俺、ずっと好きな奴がいる」
柳瀬の目には涙が溜まっている。
申し訳ない気持ちになってしまう。