気づいてよ…
「今日は3年生は最後の大会だ。笑っても泣いても今日で最後!タイムとかどうでも良い!でも、1番大切なことを忘れるな!」
木原先生は熱く語ってる。
“1番大切なこと”…。
「奏!」
「は、はい!」
急に名前を呼ばれた。
「お前の好きな物は何だ?」
木原先生は真剣な顔をしている。
でも、何も迷うことはない。
「陸上です!!」
他の部員が頷いているのが分かった。
「そうだよな?3年生に限らす、全員…楽しんで走って来い!良いか?」
「はい!!!」
部員全員が元気良く返事をした。
木原先生の目にはうっすらと涙が溜まっていた。