気づいてよ…
『短距離の選手は…』
呼び出しのアナウンスがかかって、俺は純とともと一緒に移動する。
残念ながら純とは列が違う。
ともも違う。
でも、今まで一緒に練習できて良かった。
「奏!!!!」
観客席から俺を呼ぶ声が聞こえた。
太陽のまぶしさに目を細めながら目をやると、美都がいた。
でも…美都だけじゃない。
隣に誰かいる?
俺は少しだけ近づいた。
幸い、待機には5分だけ時間がある。
「え…?」