気づいてよ…
美都の隣には、父さんがいた。
ずっと連絡してなかった父さん。
あの後どうなったのかさえも分からなかった。
「病院の許可をもらって連れてきちゃった」
そう言って笑う美都。
「奏!父さん、ちゃんと見てるから、楽しめ!」
満面の笑みで言ってくれた父さん。
「うん!父さん!見てて!俺の走る姿!」
まるで小学生が運動会で父親に言うように叫んだ。
「おぅ!見てるぞ!!」
俺は父さんの笑顔を見て2人の元に戻った。
事情を知らないはずの2人は嬉しそうに笑っていた。
「それじゃ、走るか!!」
俺はまた風と一緒に走った。