気づいてよ…
夢に向かう日々
進路の悩み
部活を引退した俺たち5人。
いつ集まっても部活の話になり、しんみりしてしまう。
そんなある日…
「みんなって進学?」
珍しく真剣な将也の言葉に俺たちは黙り込んだ。
俺には将来の夢がない。
昔から陸上のことしか頭になかった。
かと言って、就職したら良いのかも分からない。
将来俺が何をしたいのか、俺にもよく分からない。
「俺は就職するよ?」
1番に口を開いたのは純。
みんなは一斉に純を見た。
「俺んち、母さんの体弱くて、大変なんだ。だから小さい頃から高校卒業したら就職するって決めてた」
そう話す純の顔は大人に見えた。