気づいてよ…
昼休み、俺はご飯を食べる前に進路室に来た。
でも、中には入れずにドアの前で佇んでいる。
深呼吸をさっきから何回したかも分からない。
目を瞑ると、何故か美羽の顔が浮かぶ。
あの笑顔で“勇気を出してください”って言うんだ。
「…よし」
俺は覚悟を決めた。
ガラガラ…
「失礼しまーす…」
進路室に入ってパソコンに電源を入れる。
たったそれだけのことなのに手が震えてる。
もしかしたら入試本番よりも緊張してるかもしれない。