気づいてよ…
「先輩、入ってください!!」
竜貴がドアから顔を見せて言った。
喋りながら入った視聴覚室は真っ暗。
「おい…」
「どうしたんだ?」
もちろん俺たちは混乱してる。
でも後輩たちは笑ってる。
「先輩方、椅子に座ってください」
いつもより少し高めの声のとも。
俺たちは素直に椅子に座った。
「それでは、3年生の送別会を始めます。先輩方、ご卒業おめでとうございます。5月に引退されてから、先輩方のすばらしさに気づかされる毎日です。今日のために、俺たち後輩で作品を作りました。1年以上かけて準備したものです。言葉にするのは辛いので、これを見てください」