気づいてよ…
「お父さん?私たち、お父さんとお母さんが決めたことなら反対しないから大丈夫。2人がどうなっても大切な両親だから」
美都はしっかりとした口調で言った。
俺も同じ気持ちだった。
今こうして父さんが笑ってくれて、母さんもどこかで生きているのなら良い。
俺たちが父さんと母さんの子どもって事実は変わらないから。
「そっか…ありがとうな」
父さんは右手で俺、左手で美都の頭を撫でた。
その手からは父さんの愛情が伝わってきて、少しだけこそばかった。