気づいてよ…
美羽
退院した父さんと一緒に入った久々の我が家は、姿を変えていた。
といっても、建て替えられている訳じゃない。
ただ、庭の草の丈が伸びていて、家具にほこりが積もっている。
父さんが買い物に行ったから、俺と美都で掃除をすることにした。
「あれから誰も入ってない感じだね…」
美都が寂しそうにつぶやいたけど、聞こえないふりをした。
どんなに汚れていても、我が家は我が家。
なんだか居心地が良い。
家も、久々の俺たちの帰宅を喜んでくれている感じがした。