気づいてよ…
「うちで食べますか?」
思いもよらないおばさんの言葉。
「え?良いんですか?じゃあお言葉に甘えて…」
父さんは先に入ろうとしている。
前はこんなんじゃなかったけど、父さんも久しぶりに病院から出れて嬉しいんだよな…。
「奏くんも後からいらっしゃいね?」
おばさんもそう言って中に入った。
俺は父さんに呆れながらも、嬉しかった。
あんな父さんの笑顔は久しぶりに見たから。
何歩か歩いた場所を戻って我が家に入った。
きっと美都も喜ぶだろうな…。
俺も美都もおばさんの料理が大好きだから。