気づいてよ…
「ふふ…久しぶりだね」
松木家の玄関のドアの前に立つ美都は嬉しそう。
ま、俺も嬉しいけど。
ピンポーン…
前と同じように呼び鈴を鳴らす。
2人の足音が聞こえる。
「は~い…」
ガチャ…
どきどきした。
その声は美羽の声だったから。
「いらっしゃ…ぃ…」
玄関のドアを開けた相手の動きは止まった。
「美羽ちゃん!しっかり!ねぇ!」
美羽の後ろにいる梨乃が美羽の体を揺すっている。
梨乃は美羽が高校で着ていた制服と同じ格好。
夢が叶ったんだな…。
“元気になって美羽ちゃんと同じ高校に行く!”って夢。