気づいてよ…
「制服似合ってたな…」
「…はい!そうですよね?」
そこでやっと美羽は顔を上げて俺を見た。
更に可愛くなっていたけど、前と変わらない優しい笑顔。
俺が大好きな笑顔だ。
「…やっと笑ってくれた」
今度は俺が俯いた。
「美羽に嫌われたかと思ったよ…」
俺は本気で泣きそうになっていた。
美羽の前だとこんなにも素直になれるんだ。
「そんな…私が奏くんを嫌いになる訳…!」
美羽はそこまで言って立ち上がった。
驚いて顔を上げた俺を見もせずに、キッチンに入っていった。