気づいてよ…
「もうすぐのはずなんですが…」
次の日の10時過ぎ。
俺と美羽は両家の間の前で梨乃の彼氏を待機中。
“近くまで迎えに行く!”って梨乃は走って行った。
梨乃は本当に元気になったみたいだ。
前は怖くて走ることもできなかった。
「…あ!」
美羽が声を出してもたれていた塀から体を起こした。
「いらっしゃいましたよ!」
梨乃の隣を歩いている、笑顔の男。
その男には見覚えがある。
「…西田!?」
向こうも俺に気づいて目を丸くした。