気づいてよ…
「まさかお前が梨乃の彼氏だとは思わなかったよ」
「なんだよそれ!悪いか?」
悪いだなんてこれっぽっちも思っていない。
「頼むぞ?俺にとっても妹のようなもんだし」
そう言うと、何故か梨乃は目を潤ませた。
「そんな風に思っててくれたの?」
小さい頃から一緒だったしな…。
「ん?嫌か?」
「ううん!嬉しい!」
久しぶりに梨乃に会って感じたことがある。
前よりも素直になった。
きっと、たくさん辛いことを経験してきた分、成長したんだろう。