気づいてよ…
ピンポーン…
約束通りの15時。
もう1つの松本家がやってきた。
俺の顔を見るなり泣き出した幼稚園の女の子。
そういう年齢だろうけど、傷つくよ?
でも、俺と美都にも時間がある。
“父さんをお願いします”とだけ言って、2人で荷物を持って家を出た。
1度だけ美羽の家に目を遣った。
もう、次の長期休暇まで会えない。
俺の気持ちはまだ伝えてない。
美羽の気持ちもまだ知らない。
まだ勇気が出ないんだ。
今より少しでも勇気が出たら伝えたい。