気づいてよ…
「そうですね…時間が分かれば良いのですが…」
そうだよな、時間さえ分かれば。
「それでは、私が終わって10分しても奏くんがいらっしゃらなかったら、靴にメモを入れておきます。奏くんも同じようになさってください」
それはナイスアイデア!
「よし、そうする。じゃあ、またな」
「はい、頑張ってくださいね」
俺はまた美羽の笑顔に見送られて体育教官室に向かった。
コンコン…
「入れ」
教官室って緊張する。
去年も体育委員だったから慣れたけど。
「失礼します。2年3組の松本奏です。委員会に来ました」