気づいてよ…
「そっかぁ…後輩かぁ…って、奏って言った?」
花鈴さんは俺の顔をまじまじと見た。
「え?はい…?」
「へぇ…あんたがねぇ…」
花鈴さんは1人納得したように頷いている。
俺にはさっぱり分からない。
目の前にいる花鈴さんが、さっきの電話の秀斗と重なる。
「…あの?」
「ふふ…きっとすぐに分かるよ!奏くん!」
“じゃあね!”とドアを閉めてしまった。
さっきの“奏くん”は美羽とそっくりだった。
まさか花鈴さんは美羽のお姉さん?
いやいや…そんなはずはない。
俺はずっと美羽と一緒だったんだから。