気づいてよ…
隣の席の彼は大下翼(oshita-tsubasa)だった。
翼は学食を食べて帰るらしく、教室の前で別れた。
俺は学校から出ながら無意識に美羽を探した。
「…いた」
正門を出てすぐ、駅に向かう道で美羽の後ろ姿を見つけた。
「…やっと見つけた」
美羽の右側に立った。
「…え?奏…くん?どうして…」
美羽は俺が大学内にいたのを見かけなかったらしい。
すごく驚いた顔をしている。
「美羽はどこに住んでるの?」