気づいてよ…
「おはよ、奏。朝から元気だな」
正門で翼と会った。
「違う!花鈴さんは違うんだって!」
俺は必死で否定する。
もし美羽が聞いたらどうすんだよ。
「そうよ?奏にはちゃあんと美羽っていう…」
花鈴さんがにやにやしながら俺を見てる。
「翼、行こう…」
俺は花鈴さんを放って翼と一緒に教室に向かう。
「で、奏が好きな子って誰?1回も見てないんだけど」
翼は最初はおとなしかったけど、仲良くなると何でも話してくれる。
今は秀斗と純と同じくらいに仲良し。
「そうだっけ?」
「とぼけんなよぉ~」
ほぼ毎朝俺たちはこんな感じ。