気づいてよ…
「お願い。悪いことは言わない。早く美羽に気持ちを伝えてあげて」
こんなこといきなり言われて理解できる人っている?
「何かあったんですか?」
「何もないよ?何もないうちに、お願い。ね?」
今までに見たことのない表情の花鈴さん。
力なく床に座り込んだ花鈴さんは小さく“あの子を助けてあげて”ってつぶやいた。
“助ける”…?
そりゃあ助けてあげたい。
「俺が告白すれば…美羽は助かるんですか?」
花鈴さんは何度も頷いた。
その姿からはいつものように冗談は見えなかった。
だから俺は決心した。
明日、何があっても美羽に気持ちを伝える。