気づいてよ…
「寝不足だったの?よく寝てたわよ?」
今度は俺が好きな煎餅を持ってきてくれた。
「ありがとうございます。そうかもしれません」
俺は最近同じ夢ばかり見る。
さっき見た夢と同じ夢。
最初は気にしていなかったけど、毎日のように見てしまうと気になる。
俺の家にはあれが正夢になるような要素がたっぷりあるから。
「美羽と美都は買い物ですか?」
「うん。何回か奏くんを起こしたんだけどね」
そっか、俺は睡魔に負けたんだ。
「何か…気になることでもあるの?」
おばさんは昔から俺たちの小さな変化にもすぐに気づいてくれる。