気づいてよ…
「まずは…」
3分くらいの沈黙の後、おばさんは言った。
「お父さんに会いに行ってあげて?」
俺たちが最後に父さんに会いに行ったのは、1ヶ月くらい前。
「奏くんには美都ちゃんがいる。でも、お父さんは病院で1人でしょ?寂しいと思う」
そっか…俺、父さんの気持ちは考えてなかったな。
夢は本当にならないように、家族を繋がないといけないんだ。
「できれば、美都ちゃんと一緒にね?」
おばさんの顔からはさっきの悲しい表情は消えていた。
おばさんはいつも笑顔。
悲しいことや辛いことがあっても、いつも笑顔。
それは美羽に受け継がれたんだ。