気づいてよ…
「ありがと。マシになった」
美都の顔色はさっきより良くなって、歩けるようになった。
俺たちは病院の中に入った。
病院は相変わらず消毒液の臭いがしている。
俺はいつまで経ってもこの臭いに慣れない。
「どこだっけ…」
方向音痴な美都。
毎日行っている場所でないと忘れてしまうんだ。
「こっちだよ」
俺は美都の手を引いて病室に向かう。
手を引いてないと美都ならはぐれてしまうだろう。
「懐かしいね」
って美都は笑ってたけど。