気づいてよ…
「帰りは相変わらず遅いのか?」
父さんは諦めて俺たちに質問する。
「早くても22時かな…」
美都が苦笑いして答えた。
父さんは“そっか”と言って寂しい表情をした。
「ごめんな?辛いだろ?」
父さんは心臓の病気らしい。
ずっと一生懸命働いて、疲れたんだって。
1番辛いのは父さんなのに…。
「父さん?」
俺は意を決して声を出した。
「俺、毎日楽しいから。だから、早く元気になって?父さんがいたらもっと楽しいと思う」
家族を繋がないと。
誰か1人でも欠けたら駄目なんだ。