気づいてよ…
「トイレ行ってくるね!」
5回したくらいで梨乃はやっと立ち上がった。
その時、俺のポケットでケータイが震えた。
俺のケータイは普段使わないから珍しい。
画面には“母さん”の文字。
メールじゃなくて電話か…。
「もしもし?」
『今夜は19時には帰るから、松木さんに伝えてね』
“晩ごはんは大丈夫”ってことか。
「ん…分かった。珍しいな?」
『2人に話があるから』
俺は思わず美都の顔を見た。
美都も俺の顔を見て不安そうな顔をしている。