気づいてよ…
「そ…っか」
『じゃあ、切るよ?』
母さんは電話を切った。
しばらく画面を見つめる俺。
嫌な予感しかしないんだ。
あの夢のようになってしまうんじゃないかって。
そうしか思えなくなってしまうんだ。
「え~!もうこんな時間?」
トイレから戻った梨乃は“不満たっぷり”って顔をしている。
時計の時刻は15時30分。
いつも梨乃が寮に帰る準備をする時間だ。
「寮では純奈(junna)ちゃんに会えるんだろ?」
おじさんナイス!
純奈ちゃんは梨乃の親友らしい。