気づいてよ…



俺も…食べてしまった。


最後の1口を。


「…ごちそーさま」


聞こえるか聞こえないかの大きさの声でつぶやいた。


一瞬見えた。


悲しい表情をした母さん。


俺は確信した。


家族は前のように仲が良い状態に戻れないんだ。


まだ高校生の俺たちがどんなに頑張っても意味はないんだ。


俺はゆっくり食器を流し台に置いた。


母さんはうつむいていた。


美都もさすがに何かを感じたらしく黙っている。


嫌だよ。


何だよこの空気。



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