気づいてよ…



「それ…美羽ちゃんには?」


まだ言ってない。


まだ言えない。


「言える訳ねぇよなぁ…」


俺の隣に立ってため息をつく秀斗。


何でお前を困らせてんだろうな…。


ごめんな、秀斗。


「俺…どうすれば良い?」


俺は本当に迷路に迷い込んだ感覚だ。


何をどうすれば良いのか、どこに向かえば良いのか全く分からない。


「どこに行くんだ?」


「学校はまだ知らない。でも、県のもう一方の端の方」


見たことも行ったこともない場所。



< 75 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop