気づいてよ…
「それ…美羽ちゃんには?」
まだ言ってない。
まだ言えない。
「言える訳ねぇよなぁ…」
俺の隣に立ってため息をつく秀斗。
何でお前を困らせてんだろうな…。
ごめんな、秀斗。
「俺…どうすれば良い?」
俺は本当に迷路に迷い込んだ感覚だ。
何をどうすれば良いのか、どこに向かえば良いのか全く分からない。
「どこに行くんだ?」
「学校はまだ知らない。でも、県のもう一方の端の方」
見たことも行ったこともない場所。