気づいてよ…
『体育委員の生徒にお知らせします。今日の放課後、委員会を開きますので、16時に体育教官室に集合してください。繰り返し…』
は!?
嘘…だろ?
やっと勇気を出したってのに。
「えっと…私、家で待ってますから。大丈夫ですよ?」
笑顔で言った美羽。
俺は“急いで帰るから”って言いながら、違和感を感じた。
いつもなら“教室で待ってますね”って言ったはずだ。
決して付き合っている訳じゃない俺たち。
でも、一緒に登下校するのが普通だった。
だから初めてのことに違和感を感じた。
たったそれだけのことなのに、その後の授業に全然集中できなかった。