気づいてよ…
俺は深呼吸をして口を開く。
「俺、GW明けには別の高校に通う」
大きな目を更に大きくした美羽。
「もう…決定なんだ」
美羽の目にはうっすらと涙が溜まっている。
俺は見ていられなくなって視線を床に落とした。
「ここと反対側の県の端なんだ」
だから会えなくなる。
母さんは“しばらく”って言ってたけど、ずっとだと思う。
父さんが退院できる保証もない。
「それは…お別れ…ですか?」
美羽の声は震えている。
俺は黙って頷いた。
「だから…元気なかったんです…か?」
また黙って頷いた。