気づいてよ…
「あ…姉貴!?だって…お前…呼び捨てに…」
俺が教室に入ると西田もついてくる。
「昔からだけど?」
俺は物心ついた頃には“美都”って呼んでた。
“姉ちゃん”って呼んだ記憶はない。
「そうなんだ…」
西田はやっと理解したらしく、おとなしくなった。
「…え?」
教室の前にかかっている時計。
「奏くん?どうなさいました?」
冗談だろ?
「あと5分で掃除だ」
秀斗の言葉に真実なんだと思い知らされる。
あと5分で昼休みが終わる。
しかも、5分前行動のために今から清掃場所に行かないといけない。
絶望的だ…。