気づいてよ…
俺は西田を見た。
目が合った。
西田は“やべ”って顔して目を逸らそうとした。
でも、頼むよ。
体育委員って結構楽しいから。
「お願い!西田!」
俺は顔の前で両手を合わせた。
「しょうがねぇなぁ…奏の頼みだし」
西田の答えは意外だった。
てっきり“え~!”って言われると思ってたのに。
「まじ!?サンキュー西田!放課後引継ぎあるから!」
そう言っても笑顔で頷いてくれた。
これで思い残すことは何もない。
最後の学校は普通に過ごすことができた。