A His Star 【TABOO】
「俺、知ってた。笹岡が音楽で応援してくれてたこと」
「そうだったんだ・・応援する気持ちもあったし・・あと・・」
私はなんて大胆なことを言おうとしているの。
言えない。好きだったなんて。
彼は近づいてきて、私の前に膝立ちになった。
あせった私はノートを開いたまま。
「好きだった・・だろ?卒業してから友達に聞いたんだ」
私をぎゅっと抱きしめる。私には彼氏がいるのに・・
でも、8年過ぎても、気持ちと思い出は何も変わっていない。
彼の背中に腕をまわし、長い空白の時をぬくもりで埋めるかのように抱きしめ合った。
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