たっぷりのカフェラテをあなたと
 こうして私は、浩介と付き合っているような、そうでないような変な関係を続けながらも、健吾さんとも時々会うようになった。

 健吾さんの優しさに甘えているのは自覚していたけど、浩介と離れきれずにグラグラしている私には彼の存在が必要だった。

 健吾さんとの付き合いはいたって普通。

 夜に待ち合わせして食事を一緒にしたり、お互い休日に暇だったらランチの跡映画を見たり……買い物をしたり。

 体の関係を持たないっていう一線だけはお互い固く守る意思があって。

 密室で二人きりになるというシチュエーションがないという点以外は普通の恋人みたいだった。
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