たっぷりのカフェラテをあなたと

「健吾さんとお姉ちゃんが一緒になってたら……どうだったんだろうね」

　ある日こんな言葉をつぶやいたら、健吾さんの表情が少し悲しそうなものになった。

「あ、ごめん」

　彼の表情があまりに切ないように見えて、私は自分の言った言葉を反省した。
　でも、その視線を避けるように、健吾さんは顔を背けて笑顔を作った。

「彼女が幸せであればいいと思う自分は嫌いじゃない……心からそう思えたらどんなにいいかと今でも思ってる」

「うん」

　こんな時、思い知る。
　健吾さんにとって姉はまだ現在進行形で生きている存在なんだって……。
　少しだけ姉に負けた気分で悲しいような悔しいような、複雑な気分になった。

（私は……健吾さんをどういう対象として見てるんだろう）

　自分の気持ちのあやふやさに、何だか自分で自分に腹が立つ。