たっぷりのカフェラテをあなたと
浩介とはあれから会っていない。
たまに“暇だから会わない?”っていう誘いがあったけど……“ちょっと行くわ”っていうには遠すぎる場所だから、“今は忙しい”と言って断っていた。
だいたい……暇なら自分が私に会いにくればいいのだ。
その当たり前の事を、彼はしようとしない。
(もう私の事が好きなら浩介が会いに来なさいよね!)
健吾さんの存在が私の中で大きくなっていて……浩介の事が少しだけ薄らいだ。
そのせいか、ある日私はちょっとお酒が入った日……健吾さんが困るような事をしてしまった。
「ねぇ、私何だか歌いたい。カラオケに行こう」
週末デートみたいに居酒屋で会って数時間楽しく会話をした。
いつもはこれでおひらきの段取り。
でも何故かこの日はそのまま別れるのが寂しくて……私は健吾さんをカラオケに誘った。
今まで二人きりになるシチュエーションはなるべくとらなかったんだけど、この日はもっと一緒にいたいという気持ちが勝ってしまった。