たっぷりのカフェラテをあなたと
「こうくん……あなたは、結局私の何だったの?」

 こんな事をつぶやいた時、ポロンっと浩介だけに使っていたメールの着信音がした。

「こうくん!」

 これを待っていたのだろうか。
 私は弾けるように立ち上がり、携帯を手にその着信が浩介のものであると確認した。 アドレスからは消してあったから、彼の長いアドレスが画面に点灯していた。

(やっぱり……私を忘れられなくて、メールをくれたのかも)

 そんな期待を持ってメールを開く。
 でも……。

「……なにこれ?」

 その画面を見て、私の全身に鳥肌が立つような感覚が走った。
 今まで生きてきて、こんな強烈なショックを受けたのは初めてで……それは例えようもなく嫌なものだった。

『メグ、式場の予約俺がしておいたけど、良かったか?』

 これが浩介から私に送られた本当に最後のメール。

 “メグ”という相手に宛てて書いたメールを私に誤送信したのだ。
 どう考えても、彼がこの女性と結婚するのだと言うのが見てとれるメールだった。

< 32 / 57 >

この作品をシェア

pagetop