愛罪
純白のシーツの上に、僕と彼女。
互いの呼吸が静寂とした室内を埋める。
これを俗にいう“運命”と呼ぶのだろうかと、そんなもの毛程も信じていなかった僕が本気でそう思った。
「…そら、あなた見かけによらず強引なのね…っ」
「ん、…黙って」
目に見えない運命なんて一ミリも信じちゃいないけれど、僕の繊細な感性を超越した出会いがそこにはあった。
古酒の如く甘く刺激的で、それでいて濃厚な一瞬。
彼女だけに瞳を奪われ、彼女だけにこの身体を捧げた。
体液全てを捧げても惜しくないと思ったし、ましてやセックスの果てを迎えることすらも、憎かった。
僕は彼女に、盲目だった――。
そう。
愚かなほどに、盲目だった――。