愛罪



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 僕は翌日、瑠海と共に警察署を訪れた。

 瑠海の髪は昨晩、彼女が眠ったあとに母親のパソコンで調べた編み込みをしてあげることが出来て彼女を愛らしく演出している。



「安藤さん、お待たせ致しました」



 茶色い革製のソファではしゃぐ瑠海を「しー」と注意していると、通された個室のドアが開いた。

 そこには若い男性がひとり、少し困ったように整った眉を下げている。



 一応軽く会釈すると男性警察官も倣って会釈を見せ、僕と瑠海が座るソファの向かいに腰かけた。

 僕たちの間には、木目のついた重厚な長テーブルが隔てられている。



「捜査を担当しました、後藤恒司(ごとうこうじ)です」

「…どうも」



 黒のスーツを着た背の高い彼は、爽やかな黒髪と好青年風の端正なルックスが印象的な後藤という刑事だった。

 無愛想な僕を嫌な顔ひとつ見せず受けいれてくれて、そのはっきりした二重の瞳がちらりと瑠海を見る。



「妹さん…ですか?」



 頷いた僕を見ると後藤さんは思いたったようにソファから腰をあげ、少し開けたドアから廊下を覗きみる。



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