読み終えた今、様々な想いが湧き上がってきて、何とも言えない余韻に浸っています。
人の脆さ、幼稚さを哀しく思う気持ちと、人の儚さ、美しさを愛しく思う気持ちです。
静かな夜に読めたことを嬉しく思います。
【静かな部屋にスローテンポの洋楽を流すよう、僕はそっと口を開いた。】
【ぽつり。
降りはじめたばかりの雨のように、彼女は呟いた。】
私が読んでいる中で特に心を打たれた描写を抜き出させて頂きました。
難しい言葉を使わずに、その時の世界観を雰囲気を確実に高める比喩表現をさらりとしてしまう作者様に、脱帽です。
このお話のイメージソングとなっている、ショパンの『フーガ』。私は読み途中に一度、読み終えてすぐに一度聴いたのですが、抱いた印象は全く違いました。是非このお話を読む際は、読む前と読み終わった後に、フーガを聴いて下さい。
タイトルである『愛罪』が、読み終えた後、深く、切なく心に響きます。