憑モノ落トシ
プロローグ
私の家は、一見すれば怪しげな宗教に見えるらしい。
でもそれも仕方がない事だと思う。
何故なら、昔からご先祖様が幽霊だとかそんなモノに困らせられた人間を相手に商売をしていたそうだから。
今も祖母と母と私で、似たような事をしている。
けれど別にそれで儲けている訳ではない。
貰う謝礼は相手のお気持ち次第にしているから。
でも周りから見れば、やっぱり新興宗教か何かだろう。
私自身も、教祖かご神体のように思われいるらしい。
因みに何故女3人だけかというと、
家は女系の家系で……というよりも、代々男が短命なのでこうなってしまっている。
祖父と父は私が小さい頃に亡くなり、唯一の我が家の男性である兄は今一人暮らしをしている。
女だけだと力仕事なんかで困りそうな物じゃないかと言われるけれど、
家に出入りしている、有り体に言ってしまえば信者の方や、同い年の幼馴染が手伝ってくれるので不便は無い。