はなおの縁ー双葉編ー
其の弐 初めての日
ひとつ
あくる、土曜日。
この日はあの日と打って変わったすこぶる快晴の日で、いくぶん汗ばみそうな日だった。
あの時の怪我はだいぶ良くなって、絆創膏を貼る程度に済んでいる。
あの時は、雨に濡れて血が止まらず、大変な怪我をしたと思っていたが、診てくれた父に言わせれば“なんだこんな傷”だった。
あんなときで、とても慌てていたので身振り手振りでその時の事を伝えたのだけれど、あわてんぼうのやった傷程度で済んでしまった。
でも、その傷にくちづけしてくれたあの人は、多分あたしと同じくらい心配してくれたのだろうか。
傷を見るたび、あの時を思い出して、何やら切なくなってくる。
このときの、自分の気持ちをあたしはまだ何もわかっていなかった。
この日はあの日と打って変わったすこぶる快晴の日で、いくぶん汗ばみそうな日だった。
あの時の怪我はだいぶ良くなって、絆創膏を貼る程度に済んでいる。
あの時は、雨に濡れて血が止まらず、大変な怪我をしたと思っていたが、診てくれた父に言わせれば“なんだこんな傷”だった。
あんなときで、とても慌てていたので身振り手振りでその時の事を伝えたのだけれど、あわてんぼうのやった傷程度で済んでしまった。
でも、その傷にくちづけしてくれたあの人は、多分あたしと同じくらい心配してくれたのだろうか。
傷を見るたび、あの時を思い出して、何やら切なくなってくる。
このときの、自分の気持ちをあたしはまだ何もわかっていなかった。