はなおの縁ー双葉編ー
「そうだなあ。もうすぐ2時半になるし、ちょっと遠くへと言うわけにもいかないから、う~ん。そうだ、浅草まで足をのばしてみませんか?このあたりで、二人でうろうろするのは君が気を使うだろ?」

そう、女学校の学生や先生に見られたらどうなるのか、それが今一番の心配だった。

でも、、、、。

何でなのだろう。

男の人と町を歩くことが、一緒にいることがそんなにいけないことなのだろうか?

今まではそんなこと、考えたりもしなかったけれど、内緒で他の学校の男子とお付き合いしている友達はよく言っていた。

『わたしはわるいことなんか何もしていない。ただあの人が好きなだけなのに、どうしてこそこそしなくちゃいけないのか』と。
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