はなおの縁ー双葉編ー
すると、奥から帝大生が一人やって来、あたしをじろじろ見ながら腕組みをし、言う。

「おう、佐脇。他の奴から聞いてびっくりしたが、お連れさんは小町じゃないのか?ちょっと、紹介してくれよ。林太郎は絶対に話をつけないからさ、お前から。」

そう言いながらその人はあたしの前に立ち、自分の自己紹介を始めた。

「あ、あの、、、。」

返事をしようにも話は切れ目なく続き困っていると、横から、

「やめとけよ、林太郎に知られても、知らないぜ?」

と間に割って入る。

「かまうもんかよ、彼女にほの字は他にもいるぜ。」

「俺がだめなら、林太郎だってよしとは言わないぜ?それに、今日は俺が貸切だ。悪いが別の日にしてくれ。」

とあたしの肩を抱いてさっと店を出た。
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