はなおの縁ー双葉編ー
「あたしも、自分が不幸だとかそんなことは一度も感じたことはないんです。多分、端から見ればかわいそうなんだろうけれど、あたしは確かに家族の愛情を受けて育っているという確信があるから。、、、でも、あたしたちやっぱり似ているのかしら?」

「うん、俺もそう感じている。今日初めて話したのに、そういう感じがまるでないから。」

あたしは彼の言葉に微笑んだ。

そして、彼の目を見て、

「あたし、あなたをもっと知りたい。また、会えるなら、、、。」

すこし声が震えていたかもしれない。

彼は、うん、と頷いて、

「僕も、君をもっと知りたい、君が本当にいいのなら、これからも会いましょう。どうですか?僕と会ってくれますか?」

まっすぐあたしを見ている。

「はい、これからもどうぞよろしくお願いします。」

と頭を下げた。

ふ、と彼は笑って、

「こちらこそ、よろしく。」

と言った。

< 43 / 92 >

この作品をシェア

pagetop