はなおの縁ー双葉編ー
「この子は、甘い物好きだからねえ。よく買いに来てくれてるのさ。さあ、ちょっとお座りな、何か出してやろうね。」

と、奥の座席をすすめてくれた。

「いや、おばさん、すぐ帰るからいいよ。それより、柏餅6個包んでよ。下宿のおばさんに頼まれててさ。」

慌てて彼が断りを入れると、

「何言ってんだい。うちのもの買ってくださる人を立ちんぼになんぞできますかいね。ほれ、少し座ってお待ちなね。」

と、奥に消えていった。

仕方なく、すすめられた席に座り、しばらく待った。

柱時計のコチコチとした音と、時折、おじさんが豆を洗う音が聞こえるくらいで、店の中は静かだった。

「甘い物、好きなんですか?」

「うん 、、、、。まあ、、、、。好きです。」

、、、、、なんだか照れている。
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