はなおの縁ー双葉編ー
其の四 へんな言い伝え
ひとつ
「このあいだ、えらく雨が降ったでしょう?その時に、あたしの下駄の鼻緒が切れちまって、それも両方とも!そこへ偶然通りかかった佐脇さんが助けてくだすったのよ。鼻緒を直してくだすったの。」
おばさんは、話を聞いている間に信じられないというような顔をして言った。
「雨の日に?鼻緒を、浩さんが直したんだって?え~!!ほんとの話かい、そりゃ」
と、交互にあたし達の顔を見やって何度も聞いてくる。
「そうよ、嘘なんかついてどうするのよ?」
佐脇さんもあたしもちょっと怪訝な顔をしていたみたいで、おばさんは続けて驚くことを言った。
「そうさね、若い人はもう知らないと思うけれど、あたし達より年上じゃあね、’鼻緒の縁‘という言い伝えがあってね、なんでも雨の日に鼻緒を直し、直された男と女は必ず夫婦になるんだそうだよ。実際、それが縁で結ばれた人が何人もいるからさ、あながち嘘でもないんだよ。」
おばさんは、話を聞いている間に信じられないというような顔をして言った。
「雨の日に?鼻緒を、浩さんが直したんだって?え~!!ほんとの話かい、そりゃ」
と、交互にあたし達の顔を見やって何度も聞いてくる。
「そうよ、嘘なんかついてどうするのよ?」
佐脇さんもあたしもちょっと怪訝な顔をしていたみたいで、おばさんは続けて驚くことを言った。
「そうさね、若い人はもう知らないと思うけれど、あたし達より年上じゃあね、’鼻緒の縁‘という言い伝えがあってね、なんでも雨の日に鼻緒を直し、直された男と女は必ず夫婦になるんだそうだよ。実際、それが縁で結ばれた人が何人もいるからさ、あながち嘘でもないんだよ。」