はなおの縁ー双葉編ー
おばさんは目をキラキラさせて、さああんた達はどうかねえ、と言いたそうに二人を見やる。

あたしも、思わず彼を見てしまった。

彼は何とも言わずにいたが困ったような顔をしていた。

それを見たとき、あたしの胸がひどく疼いた。

「で、でも言い伝えなんでしょ?そんなの。今頃信じている人なんていやしないわよ、まったくもう。おばちゃんてば。さっ、食べましょ、佐脇さん。いただきます!」

とみつまめにかっついた。

「まあねえ、言い伝えだしねえ。さあさ、あんたもお食べな、気を悪くおしでないよ。」

とそそくさと奥へ下がった。

それからがいけなかった。

変に意識してしまって会話にもならず、目も合わせ辛くてみつまめの味も分からない有様だった。
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