はなおの縁ー双葉編ー
「それじゃあ、仕方ない。来週はお預けですね。」

と、席を立つ。

おばさんが柏餅を包んで持って来てくれた。

「お待ちどうさま。ひとつおまけで12厘にしておいたよ。」

と彼に手渡した。

「ね?ほんとでしょ?」

とあたしは彼に言った。

彼は、はは、と笑って

「うん、言ったとおりだね。」

と返してくれた。

ああ、やっぱり笑顔がすごくいい。

あたしも席を立ち、彼に別れの挨拶をした。

「今日はとても楽しかったです。ありがとうございました。」

「いや、、、。こちらこそ。試験がんばって。」

と引き戸を開けてくれた。

出掛けにおばさんに言った。

「おばさん、明日からまたお世話になるね。」

おばさんはにこにこして、

「いいともさ、気張っておやり。」

と見送ってくれた。
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