はなおの縁ー双葉編ー
神田町までは二人の足で1時間近くを要した。

彼一人ならもっと早くに着けただろうけれど、少しのんびりと、話をしながらだったので、こんな時間になってしまった。

でも、試験直前なのに、なんと楽しかったことだったか。

今、思えばあれはれっきとしたデエトというものだったのだから、当然なんだろうけど。

ほんとにいろんなことを話した。

他愛のないことからだれだれの秘密、などまで道中笑いの絶えない時間だった。

彼の話にあたしが笑って、あたしの話に彼が笑う。

なんでもないことだけれど、こういうことでお互いが信頼をえるのじゃないかと思っている。
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